戲(ざ)れに 縺(もつ)れし 糸に
箍(たが) 抄(すく)い 取られ
疾(と)うに 無くした 神の綱
只 己を 懸けて
抗(あらが)うは 穢(けが)れ無き 守(かみ)の
真名(まな) 遺(のこ)す為
誓いの 緣(えにし)で 遂(と)ぐ
降(くだ)るを 悔(く)ゆる 惑い
其(そ)は 武人の 性(さが)
理(ことわり)も無き 為置(しおき)なら
もう 情(こころ)は 要らぬ
抗(あらが)うは 細(さざれ)なる
波の 未(ま)だ 果てぬ為
終焉(おわり)を 背にして 立つ
差し零(あや)す 蹤血(はかり)の
鮮(あざ)やぐ 紅(くれない)
哉(かな) 運命(さだめ)の 証(あかし)
何も彼(か)もが 吞まれゆく
望(のぞ)まざる 紮(から)げりに
只(ただ)術(すべ)も無く
覆(おお)うは 大牙(たいが)の 闇
叫びも 掠(かす)れど曇り無き
此の 蒼き 眼差しを 今 月に代(か)え
崎嶇(きく)など 斬り捨て 憚(はばか)る