私は…生涯彼女を愛することはないだろう…
しかし…彼女という存在は…私にとって特別な意味を孕むだろう…
何故なら…生まれてくる娘の名は…遠い昔にもう決めてあるのだから…
──そして…幾度目かの楽園の扉が開かれる……
白い大地に 緋い雫で 描かれた軌跡 罪の道標
古びた金貨(コイン) 握りしめたまま 這い擦りながらも 男は笑った
廻るように 浮かんでくる 愛しい笑顔 すぐ其処に
無限の果てに 手を伸ばす様に 扉に手を掛けた
──そして…彼の現実は朽ち果てる……
少女が小さく 咳をする度 胸の痛みが 春を遠ざける
襤褸い毛布でも 夢は見られる 愛を知った日の 温もり忘れない
眠るように 沈んでゆく 愛しい世界 水底に
夢幻の果てが 手を招く様に 扉は開かれた
──そして…彼女の現実は砕け散る……ねぇ…お父様(パパ) その楽園ではどんな花が咲くの?
ねぇ…お父様(パパ) その楽園ではどんな鳥が歌うの?
ねぇ…お父様(パパ) その楽園では体はもう痛くないの?ねぇ…お父様(パパ) その楽園ではずっと一緒にいられるの?
ねぇ…お父様(パパ)…