木漏れ日に照らされて森は霞深く 行くあてさえ知らずに 梢のそよぎにさまよう 苔むしたせせらぎに 蜻蛉は舞い踊る きらめく碧い羽は 儚い命の色 想い出色褪せても 今も胸に映るのは 懐かしい人の 温かな微笑みだけ 翔けぬける風に心を例えて 遠いあの空で巡り逢える様に祈った 蛍火に誘われて 闇は帳を降ろし 枝葉の天蓋に 星空は輝き出す 透きとおる月の光を集めて 遠く甘やかな日々を夢見れば 時の移ろいに想いはあふれて 雨露の雫がそっと頬をなでる 滲んだ蒼い月は果てしない涙の色